怜「どのようなご依頼なんでしょ」
環「清香さんからお聞きになってませんか?」
怜「ええ。直接聞いてくれと言われましたので」
環「そうですか。実は・・・・コレなんですけれど」
怜「これって、CD?」
環「はい」
怜「ちょっと拝借・・・。ほぉDVDじゃないのか。初期のCD、それもRだな」
未森「R?」
怜「CDRだよ。一昔前に流行った一度しかデータを記録できないコンピュータ用のメディアさ。今では倍密度のDVDRとか、三次元記憶方式の光メディア(3DM)に取って代わられちゃったから、ほとんど使わなくなったな」
未森「ふぅん。よくわかんないけど、何が違うの?」
怜「ディスクの大きさは12cmで同じなんだが、記憶できる容量がまったく違うんだ。そうだな・・・音楽で例えれば、CDは74分しか記憶できないけど、倍密度DVDなら約1000分記憶できる。3DMに至っては4万分だ。しかも、今となってはメディアの単価は変わらないから、旧機種との互換性を保つために残っているくらいかな」
かよの「どうしてそんなにも差が出るのですか?」
怜「詳しく説明すると・・・長くなるからなぁ。簡単に言えば、CDとDVDの差は、層の厚みの違い、3DMは光の当て方の違いということになるかな」
かよの「光の当て方の違い、ですか?」
怜「うん。CDでは一つの記憶素子に対して光を当てると、1対1のデータ、つまり0か1かが返ってくるんだ。でも、3DMは光を当てると色に分解されて1対任意の数のデータが返る仕組みになっている。密度も大きくなっているから、CDの600倍の容量といった馬鹿デカいメディアが作れるんだ」
かよの「そうなのですか」
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